PASSION

わたしだけにみえる世界

1番になりたかったら何もしてないふりをしながら影で猛烈な努力をしろ

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天才がいた。

いまだだれにも負けたことがない

敗北も悲しみも悔しさもしらない天才がいた。

 

 

 

 

飛び抜けた能力をもっていた。

けして自慢をしなかった。

 

まるで、じぶんのすべてがあたりまえかのように。

 

そんな天才は周りからも憧れられていた。「ずるい」じゃなくて、「すごい」といわれるのは、能ある鷹は爪を隠すという言葉の鏡であるかのような、そのひとのもつ謙虚さからだったのであろう。

 

 

 

 

 

 

いっぽうで平凡であることに日々不満をつのらせる者がいた。

 

自分がいくらやったって、あいつには勝てない。

 

なぜ、じぶんはこんなにも恵まれていないのであろう。

 

世の中はいつも不公平だ。

 

正直うらやましかった。

 

 

しあわせそうな横顔が。

たのしそうな話し声が。

なんの困難もあじわったことがないかのようなその笑顔が。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

勝負の日が来た。勇者は準備はできていた。

 

 

 

 

まったくふだんと変わらない表情でよゆうをみせる天才。

 

 

もちろんなんの努力もしていない。

 

だっていままでもこのスタンスでやってきたからだ。これ以外ないのだ。これが普通なのだ。天才にとって常識なのだ。

 

 

 

 

なんの努力もしていない天才の実力vs勇者が努力だけで積み上げた実力

 

だれもが天才だといった。

 

もちろんわたしも。

 

結局はかわりばえのない終わりなのだ。

 

当然そうなるであろうといつものようにぼんやりと眺めていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ところが、勝ったのは勇者であった。なんの才能ももたない勇者であった。

 

 

勇者は負けから遠ざかる場所に堂々とたっていた。

いつのまにか天才を超えていたのだ。

 

勇者を信じていたのは勇者だけだった。

だれもが想像していた王道のストーリーを超えたのだ。

 

 

 

 

努力という化け物が天才をも飲み込んだ。

 

絶対に勝てない敵を見事にたおした。絶対に負けない天才がそこに倒れているではないか。

 

 

この世界の常識を、あのちっぽけな勇者ひとりがくつがえしてしまった。

 

 

 

 

 

 

 

実は影で猛烈に磨いていたらしい。

 

空気にもきづかれないぐらいにコッソリと。

 

 

天才に勝つにはこのすべしかなかった。天才にきづかれてはいけなかった。天才が努力をすると勝てないのだ。

 

 

 

 

勇者はこうして絶対的自信を手に入れた。

みるみるうちに巨大な塊となった努力が、勇者の武器となったのだ。

 

 

 

 

勇者は天才に敗北をおしえた。

 

 

だが、天才はビクともしないのであろう。たったいちどの敗北では。

これっぽっちも悔しさなんてないのであろう。これからさきもなんとなくで生きていけるのだから。

 

 

 

 

 

 

だが、勇者はちがった。

 

自分の手で掴み取った1つのキセキ。

だれになんといわれようと自らの意志で自らの感覚で得たものだ。

 

だれかにマネできることなのかもしれない。

だれかにまぐれだと笑われたかもしれない。

 

それでもじふんのなかで何かが変わったのだ。

 

 

 

 

あの日あの瞬間から。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

勇者は剣を振り回さなくなった。

天才は今日も丸腰で街を歩いている。軽快な足どりで。

 

 

 

 

※この物語はファックションです。